タイトル  : 立科町の家
建物種類  : 住宅
所在地  : 北佐久郡立科町
仕様  : 木造2階建て
建築規模  : 111.61㎡
施工会社 三矢工業株式会社
竣工 2016年
 

 

 

敷地集辺には光徳寺を筆頭に瓦屋根の住宅が建ち並び、落ち着いた景観が形成されています。そこに建つ住宅としては軒の無い新建材の軽い建物ではなく、切妻の塗り壁の住宅がふさわしいと考えました。最も悩んだのが家の方向です。周りの住宅の方向は真南から45度ほど傾いています。住宅の温熱環境を考えた場合、冬は部屋の奥まで日が差し込み、夏は日差しが差し込まないことが望まれます。そのためには真南を向くのが一番です。周囲の建物にあわせて同じ方向を向かせるのが景観上好ましいとは思いましたが、今回は性能を重視してあえて逆らう方法を選択しました。結果的に道からの眺めにとてもマッチしており植栽を施すことで地域に同化した建物となりました。
暖房を薪ストーブのみとしたいという施主の希望を重視して平面計画をしました。ストーブの置かれた居間を吹き抜けとしてそれを挟む様に1階には食堂と和室を、2階には夫婦寝室と子供室を配置するというとてもシンプルなプランとしました。冬の日差しをたっぷりと受けるため、吹き抜けには大きな窓を設けました。この窓からは正面に立科山が見えます。室内の仕上げは自然素材中心です。床は安曇野の赤松張り、壁は珪藻土塗り、天井は杉の無垢板張りです。外壁は土壁をイメージした荒壁塗りです。