タイトル  : 竜王町の家
建物種類  : 住宅
所在地  : 竜王町
仕様  : 木造2階建て
建築規模  : 107.96㎡
施工会社 三建ハウス
竣工 1994年
 

 

 

山梨県竜王町(現甲斐市)に建つ住宅です。
敷地は区画数が300を超える大規模住宅地の角地で、周辺にはメーカーハウスが既に相当数建ち並び町並みが形成されていました。
新興住宅地で一番困るのはどこの交差点もみな同じ表情をしていることです。メーカーハウスは細部の違いは当然あるのですが、町並みを形成してしまうとどこも同じで道に迷ってしまいました。また区画全体が真南から約45度振れており道路に平行に建てるとメインの窓が南東を向いてしまいます。何よりも真南にそびえる富士山も視界から消えてしまうのです。もう一つ奥様にはピアノ教室を開く希望がありましたが、音漏れのことを気にされていました。
隣家への影響が少ない交差点側にピアノ教室を配置し、しかも居間や個室は南を向くという条件を満たすよう計画すると6角形の平面系がピッタリ来ることがわかりました。屋根を寄棟にした総2階の建物はなんだかキノコを連想させます。それなら地面からニョキッと生えたような外壁にしようと考え、土壁を連想させる外壁が地面から生えているデザインとしました。
昼はキノコ、夜は全く表情を変えて角に面したスリットから光が漏れる不思議な家として地域のランドマークになっています。